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法華七喩 三草二木の喩え

法華七喩 三草二木の喩え

三草二木(さんそうにもく)のたとえ

法華経には『法華七喩(ほっけしちゆ)』という七つのとたとえ話があります。お釈迦様が私たちに法華経の教えをわかりやすく説くために、七つの話にたえられました。

今回は妙法蓮華経薬草喩品第5に説かれる「三草二木の喩え(さんそうにもくのたとえ)」を紹介します。
世界のいたるところ、山や川、あるいは公園や私たちの家の周りには様々な草木が生えています。それらに目をやると小さな草、中くらいの草、大きな草、背丈ほどの小さな木もあれば、見上げるほど大きな木もあります。そこへ厚い雲が空いっぱいに広がり、雨となって降り注ぎ、すべての草木を潤しました。この雨を受けて草木はそれぞれのペースで成長し、やがて色とりどりのきれいな花を咲かせるというお話です。

仏様の慈悲のこころ

このように雨がいろいろな草木を潤す様子は、仏様がこの世界中に存在するあらゆるものに等しく教えを説かれた様子を喩えています。先ほどのお話にもあったように、草木に雨が等しく降り注ぐように仏様の教えは分け隔てなく誰にでも与えられるものです。仏様の教えをまとめたお経は、漢字がたくさん並んでいて理解しづらいと感じる方もいることでしよう。しかし、お経を閒いていると不思議と心地よく感じられるものです。それは、仏様が私たちを優しく、あたたかい心、慈悲の心で包んで下さっているからなのです。

日常の生活を送る上で、ふと道路のアスファルトの隙間から生えている草に目が止まります。迷いの世界にいる私たちも、このアスファルトの隙間から顔を出す草と同じなのかもしれません。しかし、その草にも雨は降り注ぎます。それと同じように私たちにも仏様の慈悲の雨は必ず降り注ぎ、優しさに包まれて生かされているのです。

参考 法華宗教化センターリーフレット「咲かそういのち」2020夏号

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